男装人生




私の顔はずいぶん正直者らしい。
額(ヒタイ)にデコピンされる。

「痛っつ‼」

「はぁ。知らないのか・・・」


悶絶(モンゼツ)する私の前で眉間に皺(シワ)をよせ考えこむ。


「おい‼デコピンとかヒドイだろ‼」

「あぁ、デコピンじゃ嫌だったの。それなら・・・」

「えぇ⁉」

デコピンより痛いやつなんてたまったもんじゃない。

「デ、デコピンでいいです!」


ベコッ

「痛っつ‼」

2度目のデコピンが私の額に直撃(チョクゲキ)した。
涙目になりながら希夜を見上げる。


「2回もデコピンするなんて、ヒドイ・・・」

「はぁ・・」

心底呆れた顔で見られた。

「怜悧の前じゃ考え事もできないな。」


馬鹿だしうるさいしうるさいしうるさいし。
って私、圭也と同じ扱いですか・・・


「考えるのも馬鹿らしくなってくる。」

そんなこと言われても。
でも、もう一人の存在も探らなくなったのはありがたい。

調子に乗って

「あのさ。な、なんでさっきはあんなに怒ってたんだ?」

顔色を窺(ウカガ)いながら気になることを聞いてみる。
一番は高龍寺 悟と通じてると言われたことだが、今は聞いたらいけない気がする。


「分かっていないみたいだし、まぁいいや。」

「え?」

「こっち来て?」

「へ??」


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