男装人生



ヤバイ・・・ヤバイヤバイヤバイ‼


震えは止まったが今度は汗が止まらない。



希夜は草むらの手前でわざとらしく振り返り私の様子を窺(ウカガ)う。
暗闇に光る瞳に、うっすらと見えるにやりと笑う口元。

焦る私の顔を見て楽しんでいるに違いない。


どくんどくん心臓が音を立てるのがわかる。
今日は心臓もちそうにありません・・・


「出ておいで?」

草むらをかき分け進む。


鈴音、うまく隠れるんだーーーー‼


私が出てきたところをくまなく見渡す。

草むらと一本の木があるところだ。


だが一向に見つかる様子がない。

探す範囲を広げているが、どうも見当たらないようだ。


一時きょろきょろしていたが、訝しげな顔をして戻ってくる。


「どこにやった?」



いやいやいや、私が教えてほしいよ‼



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