久しぶりに庭に出ると、冷たくて鋭い空気とあたたかくてやわらかい日の光がイルサを迎えてくれました。
そこはまるで、夢のような世界でした。
イルサが行きたいと何度も願った場所でした。
こんなに近くにあるというのに、庭まで出てきたのはいつだったかわからないぐらい昔のことでした。
「何する?木登り?あ、スカートじゃ無理か」
ラースは首をひねって難しい顔で考え込んでいます。
何もしなくてもイルサは外に出られるだけでよかったのですが、ラースはそうではないようです。
「わ、わたし…」
「うん?」
イルサの小さな声にも、ラースはちゃんと反応してくれます。
耳を澄まして聞いてくれます。
イルサはそれがうれしくてなりませんでした。


