ラースが私を雨からかばうように覆いかぶさってくる。 「なぁ、イルサ」 「…?」 「俺、イルサに聞きたいことがある」 彼の笑顔が再びかげる。 いつもと違う、思いつめるような顔。 「俺はイルサの笑顔も怒った顔も見てきたけど、泣き顔だけは見たことないんだ」 心臓をつかまれたようだった。 一番触れられたくないことだった。 「俺って、そんなに頼りない…?」 ラースの声が震える。 どうしてそんなに哀しそうなの。 あなたの頬を流れる雫は雨なの? それとも…――。