「ずっと、怖かったんだ。親がいないことがわかって、イルサの母さんみたいに避けられたらどうしようって」

「そんなこと…!」

「でも、」

私の言葉の上に、ラースの言葉が丁寧に重なる。


「でも、ただの早とちりだった」

彼の笑顔がほんの少し光を取り戻す。

ラースは、笑ってくれていないとだめだ。

「こんなにびしょびしょになってまで、追いかけてくれたんだな」

当たり前だよ。

だって、ラースのことが大好きなんだ。


ねぇ、ラースは私のこと、どう思ってる?