息が次第に乱れてくる。

ぐっしょり濡れた体が重い。

目の前が赤や緑や白に点滅する。


それでも私は、あきらめたくなかった。

ラースにもう一度会いたい。

これで終わりなんていやだよ。


外で遊ぶことがあんなに楽しかったのも、隠しごとひとつであんなに哀しかったのも、全部それがラースだったから。

ラースが側にいたから楽しかった、哀しかった、うれしかった。


もう一度、私に笑ってほしいの。


「…!!」

どのぐらい走っただろう。

遠くに人影が見えた。


確証はないけれど絶対にラースだと、信じて疑わなかった。