息を吸って、吐いて。 気持ちを落ち着けてから、私は口を開く。 「ラースはお母さんが思ってるような人じゃない。この前けがの手当てをしてくれたのも、ラースだよ」 「いいえ。勘違いしているのはあなたの方よ、イルサ」 ゆっくりと一言ずつ考えて話す私とは対照的に、お母さんはまくしたてるようにどんどん言葉を連発する。 頭が、痛い。 「親もいないような子と遊ぶなんて、どうかしてるわ」 「え――?」 訪れた静けさ、静寂、沈黙。 親がいないって、誰のこと? まさか、ラースのことなの。