胸の高鳴りを懸命に抑えつけながら振りかえると、そこには眩しいばかりの笑顔があった。
病み上がりなのも忘れて、窓を開けに行く。
「久しぶり。治ったか?」
「ラース、あの、これ…っ」
私の手の中にあった花を見て、ラースが少しだけ眉をひそめたような気がした。
「ラースが持ってきてくれたの?」
期待と不安が渦巻く中、返ってきた言葉はこうだった。
「…違うよ」
一気に体が冷えていく。
かと思うと指先から段々顔に熱が集まる。
「そっか、違うよね…。そんなわけないよね」
ラースがお見舞いになんて来てくれるはずがないのに、私は何を勘違いしていたんだろう。
私はラースの大勢の友達の中のひとりにすぎない。
そんなことぐらい、わかっていたのに。


