お母さんが不思議そうに首を傾げながら部屋を出て行く。


肩から一気に力が抜けていく。

ゆっくり立ちあがってふとゴミ箱に目をやると、


「…あれ」

そこにはしおれた花が放り込まれていた。

拾い上げてみて、ハッと息をのむ。

目立ちすぎず地味すぎない、真っ白な花。

とてもかわいかったけれど、お母さんがこれを持ってくるとは思えない。

じゃあまさかこれって…。


「ラース…?」

まさか、そんなわけない。

そう思いながらもう一度ベッドに身を沈めると、


こつ、こつ、こつ。

窓を叩く音。


嘘、でしょう。