ラースの手が、規則的なリズムで私の背中を叩く。 ぽん、ぽん、ぽん。 「次からは、ちゃんと言えよ」 「…うん」 よかった、この声は怒ってない。 そうわかるぐらいの、やわらかい音だった。 安心に、自分の頬がふにゃっとだらしなく緩む。 ちゃんと包み隠さず話すことができて、本当によかった。 「嫌われなくて、よかった…」 その言葉を境に、私の意識はふつりと途絶えた。