あわてて立ち上がったラースが、私を正面からのぞきこむ。
そこにいるの?
周りがよく見えないから、わからないよ。
「ラース、ラース…っ」
まるでだだっこのように手を伸ばすと、そっと温かいものに触れた。
手探りで、ラースの服らしきものをぎゅっと握りしめる。
息を吸い込むのも、吐き出すのもしんどい。
こんなの久しぶりだ。
「落ち着いて、イルサ。ゆっくり息を吸って、吐いて」
声に促されるまま呼吸を繰り返すと、さっきほど苦しくはなくなった。
けれど体は重いままで、私はラースの胸の中に身を預ける。
「ラースぅ…」
「何?」
「行かない、で…」
行かないで。
きっとラースが側にいてくれたら、よくなると思うの。


