予想外にラースが大きな声を出すから、私はびっくりして後ずさった。
「何だよそれ。俺、何かした?」
「だって、怒った後、急にどっか行くから」
自信のない声で少しずつつぶやくと、彼は納得したように手を打った。
「ああ!なんだ、さっきのことか。これを取りに行ってたんだよ」
彼がポケットから出したものを私に見せる。
大きなてのひらの上にあったのは、表面がつるつるした葉っぱだった。
「これを貼ったら、きっと早く治るよ」
わざわざ、これを取りに行ってくれていたんだ。
なのに私は、また一人で落ち込んで…。
「じっとしてて」
ラースの顔が近づく。
そわそわしていると、足と頬に葉っぱのひんやりとした感触があった。