「もう5年も前のことか…」

部屋を整理していたら出てきた日記を閉じて、私は小さく息を吐く。

暖房も何もつけていない部屋はとても寒くて、吐く息が白く濁った。



ラースと出逢ったのは5年前。

あの日私の中では大きな革命が起こった。


友達という存在、私を外に連れ出してくれる存在。

私に欠けていたものが、あの日ラースに会って少しだけ満たされた。


「イルサ!」

おひさまのようだ。


5年前に彼に抱いた感想は、今でもまったく変わらない。

彼はおひさまだった。

出逢った頃からそうだった。