不安で押しつぶされそうになりながらようやく訊ねたイルサに、ラースは満面の笑みで返します。

「すっげー楽しい!」


よかった、と心の底から思いました。

彼の笑顔は決して嘘をつきません。

だからこの言葉も、信用していいのでしょう。


「あ、ありがとう…」

ラースのような笑顔はイルサには真似できませんでしたが、それでも精一杯感謝の気持ちは伝えました。


もしこの気持ちが形になったなら、それはラースの笑顔のようにキラキラ輝いたでしょうか。

この気持ちが嘘でないことは、彼にちゃんと伝わっているのでしょうか。


気になることはたくさんありましたが、ラースの隣にいれば安らかな気持ちになれました。


こうしてイルサはこの日、部屋の中だけではない新しい世界をひとつ見つけたのです。

おひさまのようにあたたかい友達と共に。