帰り道、キミを見かけたよ。


塾に行く途中…なのかな。


「遅刻遅刻~っ」


そう言いながら全速力で道路を走るキミは、いつもより焦ってた。


前からやってきたキミと私がすれ違った瞬間は、


ほんの少しの時間だったけど、


私にとっては、すごく長い時間に思えた。


息がつまりそうになったんだよ。


ふっと我に返って、急いで後ろを振り返ってみたけど、


もうキミの姿は見えなくなっていた。


…私のことなんか、気づいてるわけ、ないよね…。