興味が湧かないというか、知らない人にはあまり関わりたくないんだ。 だから、同じ学年のみんなが知ってるような人でも、あたしは知らないってことはよくあるし、今に始まったことじゃないんだけど。
でもさすがに、今回の人を知らないのはおかしいみたい。 あたしもちょっとおかしい気がしてきたんだけど……。
「――あ、あとね、神藤くんって神藤グループの社長の孫なんだよね。あ、でももう少しで社長がお父さんになるらしいから跡取り息子になるね」
「―――え!?」
自分も少し裕福な家庭にいるからか、そういう経済情報に詳しい菜月は、淡々と発言を述べていたけれど。
でも、その発言はあたしにとって、あたしの周りの時間が一瞬止まったかと錯覚するくらい、衝撃的だった。
し、神藤グループ?ホントに? え、だって神藤グループってあのバカでかい会社のだよね!??

