「――有名人…ってそんなに有名人なの?」
「まぁね」
……と、3人とも声を揃えて言い、そして悠華がそれに…と言葉を続けた。
「多分この学校で知らない人はほとんどいないんじゃないかなぁ…。だから姫季は異例の人かもしれないね」
「……え、そうなの?」
「姫季は神藤くんのことを知らないから、神藤くんがどれだけ有名なのかわからないのはムリないけど……」
「……姫ちゃん」
次々とみんなが話すから、話についていけない。
悠華の話が終わったと思ったら、次はさゆの話が待っていて。
「……あのね、神藤くん生徒会の人なんだよぉ。あっでも先生の推薦で生徒会に入ったみたいだから、会長や副会長みたいに選挙とかそういうのは全くなかったけど……」
「生徒会?」
生徒会って…あの生徒会だよね?
先生にわざわざ推薦されるってことは、凄い人ってことだよね? 全然知らなかった……
「――そう生徒会。今の生徒会メンバー、けっこう濃いメンバーばっかりで目立ってると思ってたけど、姫みたいに知らない子もいるんだね」
バカにしたように、菜月は言ったけど。でもあたし、あまり知らない人に興味湧かないから。

