キンコーンカンコーン……


『授業終しまい~号令』

《起立、気をつけ、礼》


――ザワザワ


 教師が出ていき、授業で静かだった教室は一変し、いつもの騒がしい昼休みに変わっていった。


 そんな中あたしは、窓側の自分の席に座っていつものように、友達を待つ。


 あ…外が綺麗。正しくは外というよりは空だけど。
 今日はいつもにまして、青空が広がっている。


 窓が空いているからかそこから入ってくるる風も、とても気持ちよくて、心地が良い。


 そう思いながら頬杖をつき、ボーッとしていた時。


「姫っ、姫~!」
「姫ちゃんっ」
「お待たせ~姫季」


 あ、名前呼ばれた。
 色んな名前が混ざってるけど、《姫》も《姫ちゃん》も《姫季》も全てあたしのあだ名。
 あ…姫季はあだ名じゃなくてあたしの名前。だからみんなからはほとんど名前で呼ばれる。


 ――あたしの名前は立花 姫季[タチバナ ヒメキ]。
 ここ、花園[ハナゾノ]学園に通う高校3年生。普通の高校生活を楽しんでる、今ドキの17歳の女の子だと思う。


 今、あたしの周りにいる子達は2年生の頃からの仲良しグループの3人。