「あと、偽彼女役がそんなに必要なら、あたし以外の人選んだら?――多分あたしに頼むよりすんなり決まると思うし。それにきっと…神藤くんからの頼みなら、誰も断らないよ」
「……は……、なにを…」
「――うんうん、絶対それが良いよ!それじゃあそういうことで。……じゃ、あたし教室戻るねっ」
そう言って強引に…話を強引に終わらせて教室に戻ろうと右足を廊下側に回転させた時。
「―――待って」
神藤くんにパシッと腕を掴まれて、あたしの目的は達成出来ずに行き場を失い。
「……なに?」
「……、一人で勝手に納得して帰ろうとしないでくれるかな…?…オレ、一言もわかったなんて言ってないけど――…。第一、まだオレの話は終わってないよ?」

