私は、ずっと独りだった。
寂しい気持ちも悲しい気持ちも苦しい気持ちも、任務に、使命に邪魔な感情は全て心の奥底へと追いやった。
長く生きる私にとって。
人とは異なる私にとって。
それは全部必要のないものだったから。
でも松希は。
私のしまい込んだ感情を見つけ出した。
心の奥底で叫ぶ私のシグナルに気づいてくれた。
私の心に手を差し伸べてくれた。
だから私もきっと、失いたくなかったんだ。
松希を。
掟を破ってしまっても、未来を変えてしまっても。
失いたくない。
彼に会いたい。
これが…これが人を好きになるって気持ちだったんだ。


