「…あんたこんなとこで何してたんだ?」 何って…。 この時計台に魔力で結界を張ってた…なんて言えるわけもないし。 「……待ってるの。この時計が動く〝刻〟を」 「待ってる?」 「そう。ずっと、ずっと前から」 「言っとくけどこの時計、昔っから壊れてんだぜ。あんたも俺も生まれる前から」 私も生まれる前から? 変なこと言うのね。 私はこの時計が出来た経緯をこの瞳で見てきたけど…。