わがまま王子様とパン焼き少女

沈黙がしばらく続き、ライトが重い口を開いた。


「ローラの両親の話なんだけどさ……。」



お父さんとお母さんの話?

昔の記憶が今でも鮮やかに残っている。


お父さんのことはあまり覚えてない。


いつの間にか私達の家から消えていたから。


それでもお母さんは私を一生懸命、育ててくれた……。


だから私は何も悲しみなんて感じていなかった。




あの日までは………。