『ケンジ。紹介せんか』 コロッケを受け取りながら、ちょっと照れたように私の肩を叩いた 『リコだよ。今、付き合ってる…』 『初めてまして。リコです…えへへ』 『学生さん?だろ?』 『高校3年ですっ』 ポカーンと口を開けたオジサンは…そのまま魚を焼き始めた。 『魚も私達の?』 『うん。ここに来たら、黙ってても俺が食べたいの出してくれる』 魚を返しながら煙の中から 『で。どんな記念日なんだ?』 ケンジが私の顔を見た。 どんなって…。 ケンジさんが答えてくれた 『大切な記念日だよ』