お袋が買い物から帰ってきて、夕飯の準備をし始めた。

「今日、宏ちゃんを見たわよ~。すっかり男らしくなちゃってたわ」

「良かったね。ホモヒコ。男らしくなってるんだって。初恋が実るかもよ?」

「おい、瑛子!」

「晴ちゃん、瑛ちゃんを苛めないでね」

とお袋からお咎めを喰らった。

「ハルくんもエイちゃんもおばさんも変わらないね」

と玲は安心したように言った。

夕飯が出来て十分後に親父が家に帰って来た。

「ただいま」

「お帰り、お父さん。ご飯出来ているわよ」

「ん…あぁ」

とスーツ姿の親父が早足で特等席に座った。

「今日はきらちゃんも来てるよ」

玲は少し頭を下げて「お邪魔しています」と言って、席に着いた。

全員、席に着くと「いただきます」と言って、ご飯を食べ始めた。

「久しぶりの西路家はどうかね?玲ちゃん」

「ものすごく安心しました」

「向こうでの暮らしは大変だっただろう」

「えぇ…まぁ」

この後、瑛子と玲は話を盛り上げていたけど、俺は黙々とメシを食っていた。

メシを食い終わった後、玲とメアドを交換して、玲ん家は隣だけど一応、玲を家に送った。

俺は風呂に入った後、今日、玲が俺にくれたお菓子を開けた。

俺の好きなクッキーだった。