瑛子はすぐさま、お菓子のラッピングを開けて、お菓子の中身をボリボリ食い始めた。

「太るぞ」

瑛子は俺をキッと睨んで言った。

「男は少し、ムチムチしてる女の子の方が良いんでしょ?」

瑛子がそーゆー事を言った後、玲は俯いて、自分の身体を見ていた。

「そんなもん、スキになったらカンケーねぇって」

俺は何故か玲を悲しませたくなかったので、キレイゴトを言った。

玲が瑛子を羨ましそうに見ていると、瑛子はソレに気づいていないのか「きらちゃん、夕飯、一緒に食べる?」と玲を夕飯に誘っていた。

「え?先に聞いて良い?」

「うん!」

玲は携帯を取り出して、親に電話し始めた。

「もしもし、お母さん…」

瑛子は玲が電話している時に、自分の部屋に行った。そして、服を着てリビングに戻って来た。

「良いって。久しぶりに楽しんできなさいって」

「やった!」

「おばさん、お世話になります」

玲は、お袋にお礼をした。

「良いって、良いって!さあ、おばちゃんも五人分作らなきゃね~!」

とお袋は機嫌よさそうに、家から出て行った。

「ハルくんとエイちゃんのお母さん、あんまり変わらないね」

「まあ…な」

「エイちゃん、大人っぽくなったね」

「いつも見てるから、わかんねー」

「ハルくんも…男らしくなった」

ドキッ。

このドキッは何か違う。つまみ食いして、バレた時のあの『ドキッ』とは違っていた。

「お、お前も驚くぐらい、女らしくなった」

「驚くぐらいって何よ。イジワル」

「いや、だって、昔はあんなのだっただろ?」

「昔の事は言わないで」

瑛子が後ろを向いて俺達に「私、お邪魔だったかしら?」と言って、俺は瑛子にこちょこちょをした。

こちょこちょとは、文字通り、身体をこちょこちょさせて笑わして疲れさす技である。

「バカヒコのセクハラ!エロヒコ!」

と俺を罵っていた。

ソレを玲は笑って見ていた。