放課後になると、玲は「一緒に帰らない?」と誘ってきた。
「ん…別に良いけど」
「ハルくんてば、相変わらず冷たいね」
…冷たいのか?
「はい、コレ。お父さんとお母さんから、ハルくんへって」
「ん、あ…ありがとう」
玲は昔から、何かとお菓子をくれる。
クッキーとかトリュフとか。
「エイちゃん(瑛子のあだ名)の分もあるから、盗られる心配する必要ないね」
何で、食いモンの取り合いのコトを知ってるんだ
「あぁ」
未だに、戸惑っている。なぜ?
「もー!ハルくんってば、冷たい!そう言えば、小学生の時から、ハルくん、ツンツンしてたよね?」
「そうだったか?」
「そうだよ~そういえば、エイちゃんもハルくんにそういうトコロ似てるよね」
「マジありえないって!俺とあのバカが似てるわけない!」
「え~、エイちゃん、小学生の時から大人っぽく振舞ってたけど、私の前では、お年頃の女の子だったなぁ~うふふ」
アイツ、外面だけは良いからな。
「アイツの場合、大人っぽく振舞ってたわけだろ?ツンツンしてるとかどう関係あるんだ?」
「そうねぇ…似てるといえばつまみ食いするトコロと、ツリ目とかかしら?」
「なんだよ。二つしか似てるところねーじゃん」
「まぁまぁ、そう言わずに」
玲は自分のカバンの中をゴソゴソと探って、もう一つ、カワイイお菓子の包みを俺に見せた。
「昨日から、みっちゃん(美月)、見ないんだけど、どうしたの?」
「あぁ、美月、アメリカに留学してるんだ」
「留学かぁ…」
と昔のコトや今の状況のコトを話していたら、家に着いた。
「じゃあ、私、隣だから」
っつって玲は隣の家に入った。