「ハルくんだよね?」
「そう、だけど…」
「また、瑛子ちゃんと美月ちゃんと一緒に遊べるね」
「あ、あぁ…」
三年で人は変わるものなのか。
俺はかなり驚いた。
あんなに男っぽかったのに、物凄くしぐさも言葉遣いも、女らしくなっている…
朝礼が終わると、授業の準備をしてる奴や、携帯をいじり始めた奴もいた中で、空森小学校の同級生たちは、俺達を囲んだ。
「東道さん、変わったね~」
「アハハ」
玲は苦笑いして対応した。
「どうして、戻って来たの?」
「お母さんとお父さんが、空森で起業したいって言ったから…」
そうか。アイツの両親、パティシエだったな。
「そうかぁ…すごいねぇ~玲ちゃん!」
空森小学校に通っていた奴らは、笑って「おかえり」と言った。
つーか、あんなに変わった玲を見て、笑って『おかえり』なんて、よく言えるな。
俺は正直戸惑ってる。
どう反応すれば良いのかわからない。
「コラッ!席にさっさと着かんか!」
あ、英語のセンコーが来てたのか。
俺も玲が空森に返ってた事は嬉しい。幼馴染だし。
でも、玲の変わり様に驚いて、何故か躊躇(ちゅうちょ)している自分がいる。