「あ、今日は皆に大事なお知らせがある」

皆はそわそわし始めた。

「今日、転校生が来る。名前は“東道玲(トウドウ・アキラ)”だ。皆、仲良くするように」

「アキラ?男か?」と少し、残念そうにする野朗も居れば、

「東道玲って、あの女ガキ大将だった?!」っつー小学生の時、空森小に行ってた奴がビックリしている女の子や野朗もいる。

…?玲?!

帰ってきたのか?!

あの女王?!

センコーが「東道さん、入って」と言うと、そこにはかつて、“女版ガキ大将”だった、彼女が入ってきた。

女版ガキ大将だった面影は無くなっていて、…むしろ、女らしくかつ可愛くなっていた。

ただ変わっていないのは、今も少し、ぽっちゃりなところだ。

「東道玲です。宜しくお願いします」

ペコリと、お辞儀した後、センコーが玲が座れる席を探していた。

お、俺の隣が開いてるが、気が引いた。

何だか、昔と今の玲が違い過ぎて…でも、なぜ、気が引いたのかわからなかった。

「西路くんの隣に座ってくれないか?」

「西路くん…?もしかして…」

き、気がついたか…?!

「前から三番目の席に座っているのが、西路くんです」

「わかりました」

と玲は落ち着いて言って、俺の隣に座ってきた。