時は何年かくらい前にさかのぼる…




「お兄ちゃんがえいこのクッキー、食べたぁ~…」

あの時、俺は自分の妹のクッキーを無断で食べたんだっけ。

「はるひこくん、ひどぉ~い、どうしよう、みつき、お菓子もってない…ぅ、うわ~ん」

美月は悪くないのに、美月まで泣いたんだっけ。

そして、お袋が「コラ!晴彦!お兄ちゃんだからそんなことしちゃ、メッ!よ。それに美月ちゃんまで、泣かすなんて…」なんて言ってたかな。

その時、ぽっちゃりの女の子の“東道玲(トウドウ・アキラ)”が現れた。

「泣かないで。コレ、お母ちゃんとお父ちゃんが作ってくれたの。良かったら、あげる」

と言って、玲は俺達にシュークリームをくれた。

そして、玲の両親が後から来て、引越しの挨拶をしに来た。

翌日から、一緒に玲と遊び始めたんだったっけ。

でも、小学生に上がってから、あんまり遊ばなくなった。

何故ならば、玲は女版のガキ大将になっていたからだ。

でも、美月と瑛子と一緒に遊んでいた。

玲は小学校中の男子生徒を、下僕にした。

そして、小学校を卒業した時、東道玲は他の街へ引っ越した。









そして、現在、多分、二十一世紀の始めあたり。

俺はクソ生意気な妹と喧嘩をしていた。

「ちょっと!バカヒコ!私のとっておいた、苺ヨーグルト食べたでしょ?!」

「食いましたが、何か?つーか、お前こそ、俺のお気に入りの柿ピー食っただろ?!」

「食べてないわよ!」

「じゃあ、その頬についている、塩は何だ?!」

妹はよく、人様のお菓子やご飯を食べる。

そして、妹なので両親の待遇はかなり良い方なので、このメス●タが俺のものを食べても、お咎め無しである。

俺がアイツのを、食うとお咎めアリなのである。

「ギク。さっきまで、お清めしてたのよ!」

こんな真昼間から、お清めするほどの幽霊なんていねーだろ!

俺はムカついたので、告白した。