「もうすぐ、転校するかもしれないの」

え…?

「私の親、離婚しててね、私はお母さんと一緒に暮らしていて、双子の姉の紗世ちゃんはお父さんと一緒に暮らしているの。でも、再婚するかもしれないんだって。だから、私達が紗世ちゃん家に住むか、紗世ちゃんたちが私達の家に住むか、まだ決まってないけど…」

それを聞いて、僕の心臓の鼓動は、速くなった。

心の中で、分かってる。

『紗江ちゃんが転校する前に、大事なこと言わないといけない』ってこと。

でも、どうすれば良い?

言ったほうが良いよな…

「さ、紗江ちゃん」

「何?宏一くん?」











「僕は、……紗江ちゃんのことが好きだ」











紗江ちゃんは驚いた顔をして、顔を赤くしながら、うつむいて、


「ご、ごめんなさい…。」と言って、後ろを向いて走った。