放心状態から元に戻って、掃除をして、授業を後二時間受けて、放課後になって、家に帰った。
夜ご飯を作るより、授業の復習とテストを先にしようとした。
でも、英語の教科書が見当たらない。
……放心状態のせいで、学校に忘れたかも。
まだ夕方だから、学校に戻れる…よな。
あの、英語の過去完了とか言う奴が、わからないから、今晩中に理解しないと…!
僕は制服に着替えて、学校に戻った。
僕が学校に着いた時、五時を廻っていた。
教室に入ると、紗江ちゃんが机の周りを一生懸命探している風に見えた。
「……紗江ちゃん?」
「あ、宏一くん」
紗江ちゃんは苦笑いした。
「放課後、日直の仕事をしていて、終わったら、カバンごと無くなっちゃって…」
…僕のせいだ。
僕が、さ…白川さんと関わったからだ。
僕みたいな暗い奴が白川さんと仲良くしていたからだ…
そんなコト、今悩んでいるより、白川さんのカバンを一緒に探さなきゃ。
「もしかしたら、トイレとかに忘れてたり、廊下に置きっぱなしにしてたかもしれないから、別々に探そう」
「でも、私のカバンが無くなったんだよ?何で、宏一くんが手伝ってくれるの?」
「僕が手伝いたいからだよ」
し、しら…いや、紗江ちゃんは、満面の微笑みで僕に「ありがとう」って言ってくれた。



