「あ、あのさ、黒山くん…」

白川さんは、お弁当を受け取った後、カバンの中を探った。

「あ、あった。あった。黒山くん、ここ、行かない?」

白川さんはチラシを僕にくれた。そして、僕はチラシを見た。

:モルさんが空森公園にくる?!:

日にち;五月二十一日、土曜日
時間;十時から
場所;空森公園の入り口

「黒山くん、モルさん好き?好きだったら、一緒に行かない?」

これは、もしかして、もしかと言う…

“デート”

「いや、別に好きじゃなかったら、良いんだけど…、黒山くんっていつも、モルさんに関連するもの、持ってるし…」

す、鋭いな…。いつも隠してるつもりなのに…

僕の返事は、もちろん…

「良いよ。そ、その日ってべ、別に、何も無いし…」

行くことにした。

心の中で大きく叫んだ。

その叫び声が喉から出そうになった。

危ない。危ない。

その後の男子クラスメイトの視線がちょっと、怖かった…。