絢人が「今、何時?」と聞いてきたので、携帯の時計を見たら、二時だった。

「二時だけど」

「へー。二時半から、猫グッズの特売があるから、俺、変えるわ」

「大輔は、マイペースだな」

「そう、褒められても…」

「褒めてねーよ!」

「あ、俺も二時半から、家庭教師が来るから、今日はもう解散しようぜ」

「んー」

俺らは解散した。

俺らは玲の話で盛り上がってたが、絢人の“恋バナ”っつーやつもした。

大輔は恋愛とは程遠い奴だが、『気になる女の子』がいるらしい。

大輔は猫みたいにマイペースで、少しのコトでは動揺しないが、赤面症だ。

そして、顔が少し赤くなった大輔を絢人がカラかっていた。

ファーストフード店から出て、俺は暇なので、駅前の商店街に行った。

去年の十月から改装していた店が、かわいらしい看板をあげていて、

その店の窓を見ると、中はいくつかのテーブルと机があった。

客は、何人か居た。

看板の名前は『Est*voiE』だった。

俺、英語読めない。(英語じゃないよ)

そして、店に入らずにそのまま、前に向かって歩いていたら、ウェイトレス?な玲がいた。

「本日、開店した、『エスト・ヴワ』にお立ち寄りお願いします」

玲は広告を配っていた。

「あ、ハルくん。偶然ね」

「ん、あぁ。お前、そんな格好して、何してんだ?」

「私の両親のお店のお手伝いよ」

「へぇ…って、あの前から改装していた、あの店、お前んちのお袋と親父の店だったのか?!」

「そうだよ。お父さんとお母さん、起業したの」

「へぇ~、すげーな」

「今なら開店祝いで、半額だよ」

半額かぁ…

俺は財布を見た。小銭だけしかなかった。

「すまん。俺、金ねーわ」

「そう。いつでも寄ってね」

「じゃあ」っつって俺は家に帰った。