その日僕は酷く疲れていた。 病院は外来患者が多く目が回るような忙しさだった。 この季節、大分冷え込んでいて風邪やインフルエンザが流行る時期だ。 毎年この時期は患者が増える。 それ以外にも胃潰瘍だとかで診察の予約は何時もの何倍もの人数。 人助けが好きな僕でもさすがに堪えた。 データを打ち込んだりしている間に日付は変わり、明け方の薄暗い夜道を ショボショボした目で歩いていた。 冷たい夜風がすり抜けて行く。 身震いをしながら マフラーを病院に置いてきた事を後悔していた。