車が校舎中に入る。



正門の中を歩く青葉の生徒たちが、私たちに注目した。



数馬はそんなみんなの視線を気にする事なく、職員の駐車場に車を止めた。



数馬は車内に取り残されそうになる私に、「あずみいくぞ。」と声をかける。



私は今自分が置かれている立場を改めて知る。



私も慌てて車を降りた。



数馬が私の手を握る。



私が手を引っ込めると、「バカ何照れてんだよ急がねえとマジ遅刻だから。」



私は素直に数馬の言う事にしたがった。



さっち会ったばかりの数馬に、あれほど嫌なやつと思ったのに。



私どうしちゃったんだろう。