「先生今までありがとうございました



翔太、てっちゃんお見舞いに行くから
そのときは楽しい話をいっぱいしてあげる」



先生もてっちゃんも翔太も
笑顔で「ありがとう」と言ってくれた




みんなの笑顔を目に焼き付けて
私はお母さんが待つ車に乗り込み


病院を出た







「彩乃、お母さんこれからも支えるから
がんばっていこうね」




いつもお母さんの言葉が私の背中を押して

前に歩き出させてくれる



「お母さんありがとう」


最後に大好きと小声で言ったから
聞こえたかわかんないけど

お母さんは笑顔で鼻歌を歌い始めた




このときは
幸せが少しずつ戻ってきている気がしてたんだ