**紫乃** 脱いだままの服。食べ散らかしたままのお菓子の袋。 灰皿から、はみ出そうな煙草の吸殻。 部屋の空気までが、淀んでいる気がするこの場所は、私の彼氏の山中碧【やまなかみどり】の部屋。 見た目カッコイイ碧とは、正反対のこの散らかり放題の部屋に、思わず固まる。 そんな私の思いなど知りもしない碧は、ベッドの上に無造作に置かれている服や雑誌を、次々に床に放り投げると口を開いた。 「ここ座って。」 碧の言葉に素直に従ってベッドに腰を下ろし、改めて部屋を見回す。