そう。 わたしは会ったことのない 朔に恋をしていた。 凜太郎から朔の話を聞いては 高鳴る鼓動を感じていた。 一度だけ朔を 物陰から見たことがある。 そのとき 誰かに見せた満面の笑みが 忘れられなかった。