多分…
俺が笑う時も
俺が泣く時も
俺が怒る時も
一緒に過ごしてきた奴。
俺の弱さも情けなさも、それを含めて強がっている所も、全部見抜けてしまう奴。
今まで出会ってきた友達の中でも一番大事な奴かもしれない。
『わりぃ!
なんかさ…突然、拓哉の顔が見たくなっちゃってさ…』
とても申し訳なさそうに微笑む誠。
『何言ってんだよ!!
俺だってお前と話してぇな、とか思ってたんだぜ?』
高校からは別々の人生。
優等生だった誠は高校・大学へと進学して、大手の企業に入社した。
それに比べ劣等生だった俺は学力範囲内の高校を卒業した後、社会に出た。
そんな俺達だったけど、年末年始の間は酒飲んで、語り合った。
でも、ここ最近は誠の仕事場が忙しい様で全くの疎遠状態だった。
だからこそ突然の訪問には驚いたものの、心底嬉しかった。

