「俺は南城 陽斗(ナンジョウ ハルト)。サッカー部でミッドフィルダーやってんの」

「………へぇ」


亜実子、ミッドフィルダーがわかんなくて反応が薄くなってる。
目が泳いでるし。


「ねぇ、小鳥ちゃん」

「え?」


陽斗君が耳打ちで話しかけてきた。

周りを見ると、翔子と佐野くんが亜実子にミッドフィルダーを説明していた。


「…あの、私小鳥じゃないです。小春ですけど」

「名字と名前略したら小鳥じゃん」


∑略さないでよ!!
略すことに何か意味あるの!?
しかも変に略すからなんか小動物になっちゃったじゃない!!


「…で、何?」

「岡部さんって彼氏とかいるの?」

「?居ないと思うけど」


どうしたの?なんて視線を陽斗君に向けてたみたい。

ちょっとだけ頬を赤らめて、小さな声でまた耳打ちしてきた。

『オウンゴールしたかも』



「はぁ?」

意味深な言葉に間抜けな声が大きく出ていた。