「 ・・・・・あたし、 」 だから、口をついて出た言葉に 自分自身驚いた。 「 母を殺したんです 」 言うつもりじゃなかったことを すらすらと話してしまう自分。 けど、頬に感じる温もりが優しくて それが何処か安心できて────・・ 「 体が弱かった母は、あたしを産んで そのまま亡くなったんです。 だから、あたしの誕生日が、命日で 」 相槌をうたないで 彼は 少しだけ頷きながら 静かに聞いてくれた。