”何かあったら呼べ”と
ドアノブに手をかけたとき、
彼の携帯が鳴った。




「 ぁあ? 」


「 嘘だろ!? 」


「 このくそ女! 」





多分、紫さんだ。
彼は携帯を切ると
寝転んだままのあたしの
目の前に座り込んだ。





・・・・出て行かないの?





「 お前、熱だすかもだから
  ここにいろって言われた 」





彼の耳が真っ赤になっていて
思わず笑ってしまう。