学校が終わり部屋に戻ると さっそく佐野がやって来た。

佐野:「あ、今日はまだ誰も来てないんだ」
一ノ瀬:「ノックしてから入ってよ!?着替えてたらどうすんの??」
佐野:「俺は気にしないよ」
一ノ瀬:「そういう問題じゃないでしょ!?」

蒼の部屋にはいつでも誰かがいる。「溜まり場」だった。例え蒼が居なくても誰かしらがいる。それもどうだろう?

一ノ瀬:「あ ねぇ、渡は大学に行くんだよね?」
佐野:「取り敢えずね」
一ノ瀬:「将来の目標とか夢とか そういうのってある?」
佐野:「 まぁ あるっちゃあるかな?」
一ノ瀬:「え、あるの!?教えてよ!!」

そう言って笑うと、佐野はまっすぐに見詰め返してきた。