そこで、ふと横に人の気配がして、 車道とは反対側の住宅側を見る。 そこに立っている住宅の玄関に 続いている階段に 5歳くらいの可愛らしい女の子が ちょこんと座っていて、 俺を少し見上げるように見ている。 俺が女の子を見た途端、 女の子は溢れるばかりの笑顔をパッと開き、 階段から立ち上がって、 車道へと走っていく。 そこで、普通の人ならば、 彼女が車道へ走っていくのを 止めていたことだろう。 そう、彼女が普通の女の子ならば。