「あ…、おはよう。」 と、俺の背中に かけられた母さんの声に 「はよ、」とだけ短く返すと、 俺は母さんの横をすり抜けて 2階へと階段をあがっていった。 開いた自分の部屋の扉を閉めてから、 俺は、鞄を拾い上げ、 気は全然進まないが、 学校に行く用意を始めた。 数学、国語、理科、 教科書とノートを鞄の中に 放り投げて、鞄のふたをしめたとき、 ベットの枕元に置かれた 目覚まし時計が5時を指した。