家に帰る頃には、 もう夜も更けていた。 母さんが心配したような顔で、 玄関の前で待っていた。 「ただいま。」 母さんに向かって、 小さく笑った。 「大丈夫?」 お帰りとも言わずに 駆け寄ってくる母さんに向って、 もう一度小さく笑うと、 俺は玄関に入った。