『無題
大丈夫。少し、怪我したけど、
大したことないから。
今から帰る。
ご飯はいらないから。 』
かこかこ、と
いつもより早い速度で片手で打って、
最後に送信ボタンを押した。
画面に映し出される、
『送信しました。』の文字。
そして即座に返信が返ってきた。
『無題。
よかった…。 』
安堵している母さんの姿が
まばたきのために
一瞬だけ閉じた瞼の裏に映った。
心配をかけちゃったな、と
少し罪悪感を感じた。
そして、
次に豊からのメールを
古い順で見た。
1通目。
『無題
どう?順調? 』
2通目。
『無題
臨時ニュースを見たんだけど、
通り魔?に合わなかったか? 』
3通目
『無題
レイ、返事くれ。
心配だ。 』
豊にも、心配をかけてしまったと、
俺はまた罪悪感を感じた。



