ぎ、ぎぃぃっ、と 重く、錆びついた音が響き、 ごごぉんん…。と、 扉が音を立てて閉まる音がした。 そして最後に、 がちゃん、がちゃん、と 何重にも鍵が掛かっていった。 扉を覆うように巻きつく鎖。 扉をあけるために 必要な鍵は、 1つ残らず、 何処かへ消えた。 扉も、心の奥底に沈んでいった。 流れ落ちる涙は、 君と唇が触れた瞬間に止まった。止めた。 泣けば泣くほど、 心が引き裂かれるように辛いから。 からからに乾いてしまうから。