僕の彼女は幽霊で


君の顔に、
自分の顔を近づける。

触れる、熱を持った唇と、
冷たくなってゆく唇。

触れるだけの、君と俺の唇。

重ねた、死人と生者の唇。

初めての俺のキスは、
死んだ君とだった。

熱を持たない君とのキス。

悲しみだけがが俺の心を覆う。

悲しみと言う名の南京錠が、
俺の心の扉に鍵をかけた。