「そんな、う、そだ。」 止まらなかった涙は 更に流れる。 白い男は下を向くばかり。 集中治療室によろよろと入る。 誰も止めはしなかった。 台に横たわる君。 瞼を閉じて。 まるで眠っているようだ。 誰かが、 死人は眠っているように、 穏やかに瞳を閉じている なんて言っていた。 嘘だと思っていた。 今の今まで。 でも、あの言葉は本当だった。 嘘じゃなかった。 現に君は、 君は。